憎らしいほどの強運
2010年 10月 18日
【秋華賞】アパパネ、憎らしいほどの強さ
憎らしいほどの強さだった。アパパネが史上3頭目の牝馬3冠を達成した。3コーナーの坂の下りをスムーズな走りで先行集団に接近し、直線を向いて大外から一気に突き抜ける。そして最後の踏ん張り。牝馬3冠にふさわしい見事な勝利だった。「この馬の力を信じて乗った。邪魔をしないこと。彼女のレースをすれば結果はついてくると思った」。蛯名騎手にプレッシャーはまるでなかった。アパパネにとって2冠目のオークスは距離や大外枠に少し不安を抱いて臨んだレース。だが、今回は違った。与えた課題をすべてクリアし、懸念材料なしで本番を迎えた。
アパパネとはハワイに住む赤い鳥の名(和名・アカハワイミツスイ)。
父・キングカメハメハからの由来と思われる。
去年、牝馬三冠を狙ったブエナビスタは、桜花賞とオークスで共に2着だったレッドディザイアにリベンジされたが、今年は阪神JFで2着だったアニメイトバイオがトライアルのローズSで早々とリベンジを成し遂げ気が緩んだのか、今回は逆リベンジされ2着。史上3頭目の牝馬3冠馬が誕生した。
牡馬は過去に6頭の3冠馬がいるが、牝馬は一般的には調整が難しいと言われる通り、その半分。
メジロラモーヌとスティルインラブと今年のアパパネ。しかも前年のG1も合わせて制覇しているのは、朝日杯3歳S(現阪神FS)を制したナリタブライアンのみで、牝馬としては史上初という快挙も合わせて獲得した。
馬も快挙なら、馬主も快挙で、馬主の金子真人ホールディングスは、競馬界では超が付く有名人、金子真人氏の法人馬主名義。ディープインパクトに続いてアパパネの今回の3冠を受けて、牡馬と牝馬によるクラシック三冠という、ダビスタでしか実現出来ないような快挙をリアルに成し遂げた。
秋天を制覇すれば、八大競争制覇になる。(秋華賞は八つの中には含まれず)個人馬主プラス法人馬主名義なら、社台関係はすでに八大競争制覇を達成しているが一線を画したい。
「ダービー馬のオーナーになるのは、一国の宰相になることより難しい。」と語ったのはイギリスのチャーチル元首相らしいが、「持っている運」という要素だけで考えても、金子氏は日本の首相になるべきである!いや、なってください!
by currybeans
| 2010-10-18 00:30
| Horse racing