残したかったは持ち主の記憶
2008年 05月 05日
大切に保管物語る写真
東京国立近代美術館フィルムセンター研究員はゴクリとつばをのみ込んだ。「奇跡だ」。昨年9月、大正時代に作られたアニメ『なまくら刀』のフィルムを初めて見た時のこと。100年近く前のセルロイドなのに、キズがほとんどない。刀を持つ武士の姿がはっきり見てとれる。研究員は古いフィルムの修復や保存に携わってきたが、まれに見る良好な保存状態だったという。どんな人が所有していたのだろう? 古物商から先の持ち主については、全く情報がなかった。しかし、一枚の写真が見つかる。写っていたのは、映写機を胸に抱える青年だ。写真は全体に黒くくすみ、像はかなりおぼろげだが、若く、学帽のようなものをかぶっていることがわかる。フィルムを納めた紙筒は、手回し式の映写機の入った箱と一緒に売られており、その中にはきんちゃく袋がしのばせてあった。赤や青の布きれをつなぎ合わせた手作りのもの。ひもをほどくと、さらに内側に、何かを隠すように小さな袋がしつらえてある。写真は切手よりやや大きい程度で、その中に収まっていた。青年が映画関係者かどうかはわからないが、自分の写真をそんな風に持ち歩いたとは考えにくい。きんちゃく袋にしまい込んだのは、親か、妻か、恋人か。彼への思いを物語るように、大切に、ひっそりと袋に収まっていた。戦争、はやり病……。研究員は、フィルムや映写機は彼の遺品で、愛する者がずっと大切に保管していたのでは、と思う。フィルムがほとんど無傷で見つかった一番の理由は、人が人を愛する思いの強さだろう。
以前このブログで取り上げた「お宝大正アニメ」。
読売新聞の東京地域版の連載だったと思うが、最終回で大正ロマンなエピソードが語られていた。
映画が撮れそうなくらい、想像をかき立てられる1枚の写真。
オークション目的での保管、コレクション目的での保管とは異なる所有者への純粋な気持ちが込められていたからこそ、骨董市という誰の手に渡るかも知れない場所で売られていたにも関わらず、後世に遺すという意味では再考のルートを辿ることになったのだろう。
→今のご時世ならR-15指定アニメ?
阪神10-4中日 8回戦 (阪神5勝2敗1分、ナゴヤドーム、14:00、38219人)
一回の27分間に大量7点! 猛虎、初の2ケタ得点で竜撃破
阪神は一回に打者一巡の猛攻で7点を先制するなど、打線がつながり、今季初の2けた得点で快勝した。大量援護を受けた杉山が七回途中まで4失点で2勝目。中日は先発の中田が3回9失点と大乱調で、7カードぶりの負け越し。
まさかナゴドで中田をKO出来るとは・・・。
昨日の勝ちパターンに持ち込んで負けた試合が惜しまれるが、勝負事とはこういうもの。
完投できなかった杉山はふがいないが、能見がフォームを変えてすこぶるいい。
by currybeans
| 2008-05-05 23:30
| Cinema